- 大気イオン発生メカニズム -

 地震発生直前、「大気中にプラス電荷を持つ大イオン(大気イオン)」が増大するということが、これまでの研究より判明しています。
大気イオンは以下の特徴を持つとされています。
 ① 地震発生直前に、大気中でその濃度が増える。
 ② プラスの電荷を持っている。
 ③ エネルギーではなく、物質である。
 ④ 大きさは、大きくとも数nm程度の大きさ。
 ⑤ 地震発生源より数百km離れていても観測可能。
 ⑥ 風などの影響を受けない。
大気イオンは、プラスの電荷を持った、数nm程度の物質であるため、風等、環境の影響を受けると思われるが、震源地より数百キロもはなれば場所でも観測が可能である。そのため、その発生メカニズムについて様々な理論が考えられています。現在想定される大気イオンの発生メカニズムを以下に記載する。

- 大気イオン発生要因(従来より) -



1. 地盤に対して地殻変動等から大きな圧力が掛かる
2. 地中に存在する亀裂から、様々な分子・イオンなどが放出される。


3. 空中に放出されたイオンに、小さなチリや埃が付着し大イオンとなる。


4. 大イオンが検出器に捉えられ、ピークが出現する。

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- プレートテクトニクスによる発生 (W理論) -


1. プレート境界で大きな圧力が掛かる。
2. 地殻全体が大きな歪み(ストレスを受ける)
3. 海中の地盤からも大気イオンは発生するが、大量の海水中に溶解する。
4. 遠く離れた地でも、歪みを受けているため、地表の亀裂から、イオンが発生する。


- W理論により発生したイオンによる地震予知 (A理論) -

これは、2011年3月11日に発生した東北関東大地震のような場合に見られる前兆現象です。当時、e-PISOCOの測定器は、全国的に激しく活動しておりました。特に、北米プレートとユーラシアプレートの境界に近い金沢や松本といった場所で、大気イオン濃度が測定限界を超えるようなことが多々ありました。しかし地震の終息とともに、イオン濃度は正常値に戻りました。そこで、この理論が生まれました。


1. 太平洋プレートと北米プレートの境界で大きな圧力が掛かる。
2. 北米プレートとユーラシアプレート境界でも特に大きな力を受ける。
3. そのため、金沢・松本測定点で大きな反応が得られた。

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- その他に想定されるイオン発生メカニズム (別解①) -

電磁波により発生



1. 地盤に対して地殻変動等から大きな圧力が掛かる。
2. 地盤のずれにより電磁波が発生する。
3. 電磁波により、空中に存在する分子などがイオン化する。
4. イオン化した粒子にチリや埃などが集まり大イオンとなる。

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- その他に想定されるイオン発生メカニズム (別解②) -

大気圏電離層との関係から発生 (K理論)


1. 地盤に対して地殻変動等から大きな圧力が掛かる
2. 岩石に大きな歪みが掛かることにより電界(ピエゾ電界)が発生する。
3. 電離層との電界差により大気中の粒子がイオン化。
4. イオン化した粒子にチリや埃などが集まり大イオンとなる。

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